だるい話NEO

引っ越したらしく

うぼんばは

映画ペンギン・ハイウェイの感想でも(ネタバレを含む)

 

 

まず見始めて最初に思ったのがアオヤマみたいな少年がリアルにいたら「うわ、なんだこのウエメセクソガキ」と下手すれば不快感を覚えそうだなと思った。まぁそういう小説上での設定だと割り切ったけど。ともあれアオヤマ父は息子にどういう教育させてんだよとも思った。

 

話が進んでいくうちにこのアオヤマは研究サイコパスなんだなと感じた。サイコパスとは感情の一部、特に他人への愛情や思いやりが欠如していることや、自己中心的になることを指すそうなのだが序盤のアオヤマは感情の起伏も少なくただ淡々と研究に没頭している姿に少し怖さも感じた。

 

同じ学者の娘でアオヤマ寄りのハマモトですらアオヤマに恋心を抱いたりお姉さんに嫉妬していたところもあったがそんな機微に気づかず研究に没頭していたシーンもあったし。リアルの学者でもそういう人は多分いるんだろう。確かアインシュタインあたりが研究はすごかったけど私生活はひどかったみたいなことを聞いたことがある。

 

ただお姉さんを介してアオヤマに心が芽生えるというかそれまで無機質だったものに感受性というか人間性が宿る、そんな流れが人間的成長のように感じられてよかったなとも感じた。お姉さんの家に食料を届けるところとか成長したなぁと思いながら見てたし。ふと思ったけどあれか、HUGっと!プリキュアのルールーみたいなものか(違)

 

SF面では…といっても正直SFは疎いのでああだこうだと偉そうなことは言えないけどお姉さんは別世界側の存在だろうとは話の流れでなんとなくそう感じていた。コウモリのところや海から遠ざかろうとして気分が悪くなってジャバウォックが生成されるところでお姉さんは海そのものでお姉さんの精神状態次第で生成されるものは変わっていく仕組みなのかなとも漠然と感じていた。

 

ただ海を修復するという目的ないし使命みたいなものをお姉さんが覚えていないのはなぜか、なぜそうする必要があったのかは分からなかった。見た側に色々な想像をさせるためあえてぼかしたってことなのだろうか。前に見たお芝居「自称芸人」の時もそうだった、あえて「みなさんの想像にお任せします」を作ることで各人の解釈のパターンが増えて想像力が膨らむ、そういう工夫なんだろうな、と。

 

まぁ大雑把にまとめてしまうとSFと少年の心が成長するみたいな話だなと思った。小学生の頃の夏休みという気分、あのわくわく感を味わうことができたので童心に帰るという意味でもいい映画だったかなぁと思ったり。